落日の迷い子


「さようなら」 風に溶かして あなたの指 放しても
約束の言葉だけは消えてしまわないように

(薄闇を進む移ろう想い 足下へ篝を求めて)

少女の溜息が小さく世界を閉ざす
数え歌のような繰り返しを
くちびるから乗せて 空へ


合わせた肩にもたれて 風のかたち追いかける
翼も声も失くせば贖う罪は遠ざかる?

(外れた楔は碇に倣い 昏い海へ躰沈めていく)

落日の迷い子 舟の底でゆらゆらと
届かない光 待つの
ひとり膝を抱えて夢を観ている


ゆるやかな坂の上で紅い街を見下ろせば
やがて訪れる夜に静寂が謎かけする

(崩ずる世界の望みは生、死? 眼を閉じてこたえ紡ぎ出した…)

微睡みに浮かんでは消えていくあの人と
いつか結ばれるように
両のてのひら重ね 深く祈る