<バックストーリー>
捻子巻く時計が月の満ち欠けを刻む——
世界はまるでオルゴールのようだと、【彼女】は言った。
同じ旋律に別の詩をのせて、同じ世界に別の物語をのせて。
オルゴールは今日も、捻子を巻く誰かを待ちつづける……。
●翼の降る王国
●日溜まりの檻
●月追いの都市
——その都市の名は、エクリス。
かつて犯した罪により、永遠に閉ざされた世界。
死にゆく者が留まる、終焉の都市——。
千年前に滅び、今は湖に沈むという【魔法都市エクリス】。
エクリス神殿の最後の【守護者】だった少女エルシアが見た、遙か未来。
それは、己の後継者レオゼットが辿るはずの、悲しい運命の物語だった——。
●花ひらく蒼天
「この都市は今夜、滅びますから」
エクリス神殿に住むエクリスの守護者エルシアの言葉から始まった、彼女の側近サーディンとエルシアの短くも長い一日。